フェラーリ 風を味方に | グランテスタ

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フェラーリ 風を味方に


皆様今回の投稿は、
風をを味方にシリーズをお届けいたします。

皆様もご存じのように、車の3大要素は
走る・曲がる・止まる です。
車は目に見えない空気の壁の中を走っているようなものなので
速く走り、速く曲がり、速く止まるにはこの見えない空気の壁が
大きな抵抗となって色々と邪魔をしてきます。
この大きな抵抗を「ドラッグ」と呼んでいます。
この邪魔をしている空気を味方につけようと考え現在増々注目されているのが
エアロ・ダイナミクスの研究です。

車にぶつかった空気は車上、車側面、車底部の3方向に流れていきます。
そこで今回は車底部にフォーカスし蘊蓄を少々。

現在の高性能スポーツカーの後部にはディフューザーと呼ばれる
パーツが取り付けられています。
このパーツの大きな目的は車底部を流れる空気をいかに大量に、そして高速で
吐き出すために開発されています。

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599のディフューザー

ディフューザーは車体後方に向け斜めに跳ね上がった構造をしています。
この形状の効果で車底部を流れた空気は勢いよく吸い出され、
結果、床下の気流はベンチュリ効果により加速され、ベルヌーイの定理により車両底面に負圧域が生成されます。
これが車両を地面方向に吸い寄せる下向きの力「ダウンフォース」です。
ダウンフォースが大きいほど車は路面に押し付けられ、タイヤのグリップも高くなり
より安定しコーナーを曲がることや高速で走行することが可能になります。

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F430のディフューザー

またディフューザーはリアなどのスポイラー(ウイング)と異なり
空気の抵抗(ドラッグ)を抑える効果もあるため
フェラーリでは車両下部を含めたディフューザーの研究開発が日々続けられています。

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812Superfastのディフューザー

ここでお気づきになった方もいると思いますが
599やF430の方が垂直フィンや跳ね上げ角度大きいじゃないか!
なら、最新の812Superfastより10年以上前の599やF430の方がダウンフォース
大きいじゃないの?と・・・

そこで追加説明ですが、
ディフューザーの効果は跳ね上げ角度より面積がより重要になります。
599は確かに跳ね上げ角度は大きいですが幅がトランクの幅に対して
812Superfastはより幅広くなっています。
また注目をしていただきたいのは
バンパーとディフューザーの間の隙間!
この隙間が2層ディフューザー構造になり
面積が2倍へとなり、限られたスペースで最大の効果を上げることができます。
また床面を覗くと

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アンダーパネルで全て覆われ気流を乱すことなくディフューザーへ向け
流れてくるのが解ります。
さらにアンダーパネルにはいくつかの小さな垂直フィンが外側に向かい取り付けられています。
このフィンも気流を最適な場所へ導くために設計されています。

上部写真の赤い垂直フィンが切れた箇所に四角い切込みが3つありますが
これは可変フラップで高速走行中フラップが開き
ディフューザー効果を減らし(抵抗が減る)トップスピードを上げる目的で
開発されています。
488シリーズも同様の目的で装備されていますね。

では次回の風を味方にシリーズをお楽しみに・・・