Ferrari Technology Vol.10 | グランテスタ

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Ferrari Technology Vol.10


皆様こんにちは。

今回はフェラーリに使用されている

エンジンオイルに焦点を当てて書いてみたいと思います。

GT2

使用されるオイルはShell Helixの全(100%)化学合成オイルです。

エンジンオイルはベースとなるオイルに様々な添加剤を配合して作られています。

そしてベースオイルには大きく分けて3つの種類があります。

・鉱物オイル

・部分化学合成オイル

・全化学合成オイル

勿論、化学合成オイルが性能の高いオイルであり、

不純物が圧倒的に少ない事からエンジン内部が汚れにくく

蒸発しにくい特性もあるため、

ブローバイガス(エンジン内部に吹き抜ける燃焼ガスや未燃焼ガス)還元装置

によって吸気側に戻されるガスがオイル成分を含みにくく綺麗になります。

熱による酸化劣化に強いのも特徴です。

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そしてオイルの粘度(硬さ)は

5W-40と10W-60という2つの種類が使用されています。

主に8気筒モデルが5W-40

12気筒モデルやスペチアーレモデルが10W-60を使用している事が多いです。

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皆様ご存知の通り〇Wというのは低温時の粘度の指標であり

―〇が高温時の粘度の指標です。

数字が大きいほど粘度は高く(硬く)

数字が小さいほど粘度は低い(軟らかい)という解釈で良いと思います。

 

オイルは性質上、温度が上がるほど軟らかいシャバシャバした粘度になっていきます。

フェラーリのエンジンは常にレッドゾーン付近の高回転域で回せるよう作られているので

高温になるエンジン内部は、金属部品の表面に油膜を確保する事が難しくなります。

油膜が確保できないと、各部摺動不良や焼き付きの原因となったり

燃焼室の密封作用が弱くなり、燃焼圧力が漏れて出力低下にも繋がります。

そのため一般的な車よりも粘度の高いオイルが必要になります。

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しかし最近の12気筒モデルに使用されるオイルは変化してきており、

F12ベルリネッタは10W-60を使用していましたが

後継となる812スーパーファスト、F12tdfでは5W-40に変更されています。

明確な理由は記載されていないのですが、

同じ型の12気筒エンジンを搭載しているのにオイルの粘度を低く出来たのは、

エンジン内部の様々な部品を見直し

特殊コーティングやラッピング処理を施して摩擦抵抗を抑えた事や

可変容量オイルポンプの作動条件を改善させた事などの

改良によるものと思われます。

IMG_4163

オイルの粘度を低く出来れば、エンジン内部の摺動抵抗を軽減させられるため

より出力を向上させる事が見込めますね。

 

 

暖機前のエンジンオイルは水分やブローバイガスなどの

デメリット要素の強い物質の影響を受けやすいため

走行距離が短い車両であっても

エンジンのコンディションを最適に保つために

定期的なオイル交換をお勧めいたします!

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エンジンオイルは奥が深いのでまだまだ解説不足ではありますが

簡単にご紹介しました!

 

 

加賀谷