Ferrari Technology Vol.13 | グランテスタ

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Ferrari Technology Vol.13


皆様こんにちは!

フェラーリのエンジンと言えば……

皆様は何が思い浮かぶでしょうか?

12気筒、赤いヘッドカバー、音が良いなど様々にあると思います。

自分が1番初めに思い浮かんだ事は「高圧縮比」でした。

ですので今回は圧縮比に焦点を当ててみよう思います!

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まず圧縮比とは1気筒当たりにおける

ピストンが上死点にある状態の空間を1とした時、

ピストンが下死点にある状態の空間とを比率にした数値です。

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圧縮比は、(燃焼室容積+排気量)÷燃焼室容積

で求める事が出来ます。

 

ターボ車である488の圧縮比は9.4:1

F12ベルリネッタの圧縮比は13.5:1

458スペチアーレの圧縮比は14:1というかなり高い数値になっています。

圧縮比が高くなるほど混合気をより圧縮する事が可能なので

反発する(燃焼する)時の力は大きくなり出力アップに繋がりますね。

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今回クローズアップしたいのはここからです!

自動車雑誌などで色々な他メーカーモデルのスペックを見ていると

一般的な大衆モデルにも13や14といった高い圧縮比を持つものを

最近よく見かけます。

フェラーリの圧縮比が特別高いわけじゃないんだと思われるかもしれません。

しかし、

これらの大衆モデルが高い数値の圧縮比を実現できるのは

主に吸気バルブの閉じるタイミングをかなり遅らせているからです。

例えば、圧縮工程の初期から中期にかけて

ピストンが上昇を続けても吸気バルブはまだ開いており

吸いこんだ混合気の多くをまた吸気側に戻す仕組みになっています。

ピストンがある程度上昇してからやっと吸気バルブを閉じるため

実際に混合気を圧縮しているピストン上昇ストロークは短くなります。ですので

実質の圧縮比は高くないのです。

この方式のメリットは、次に待つ

燃焼行程でのピストン下降ストローク(膨張比)が

実質圧縮比よりも大きくなり熱効率が良くなるという所にあります。

こういったエンジンの方式はミラーサイクルやアトキンソンサイクルと呼ばれています。

他にもいくつかの低燃費に役立つ制御を取り入れる事が出来る方式なのですが、

この方式のデメリットは出力が大幅に低下する事です!

エンジン単体での採用が難しいため、主に

ハイブリッドのモーターや過給機などのアシストを必要とするモデルに多く見られます。

 

フェラーリから話が逸れてしまいましたが…

フェラーリのエンジンは純粋に圧縮比の数値をそのまま圧縮する

標準のサイクルで高い数値を誇ります!

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圧縮比を上げるためには高出力に耐えうる強固な各部品が必要になりますし、

だからといってディーゼルエンジンのように重くなりすぎると高回転まで回せません。

そしていくら直噴エンジンとはいえ圧縮比が上がれば温度上昇により

ノッキングなどの異常燃焼を引き起こしやすくなります。

 

こういったいくつもの問題を解決し、高圧縮比を実現させられるのは

F1の豊富な経験があり、車両開発に幅広く生かす事の出来るフェラーリならではだと思います!

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加賀谷